こんにちは。
獣医師の太田です。
最近涼しくなってきましたね。
今日は、胆嚢粘液嚢腫という病気について書いてみようと思います。
胆嚢とは、胆汁と呼ばれる消化液を溜めておく袋のような臓器ですが、
胆嚢粘液嚢腫とは、この袋にゼリーのようなものが溜まってしまう病気です。
症状としては、食欲がなくなったり、元気がなくなったりするほか、吐き気やおなかの痛みを起こすこともあります。
黄疸(皮膚や白目の部分などが黄色くなる、尿の色が濃い黄色になる)という症状が出ることもあります。
また、全く症状がなく、健康診断や別の病気に対する検査をしていて偶然見つかることもあります。
胆嚢から胆汁が通って行く管(胆管)が詰まったり、胆嚢内にゼリー状の物質が貯まりすぎたりすると、
胆嚢が破裂してしまう事もある危険な病気です。
血液検査や腹部超音波検査で診断することができます。
きれいな胆嚢
胆嚢粘液嚢腫
治療法としては、胆嚢を取ってしまう手術を行うこともありますが、
症状が落ち着いている場合は、胆嚢内の胆汁の流れをよくするお薬を飲んだり、脂肪分の少ないフードを食べることで、症状が悪化するのを予防することもできます。
中年齢~高年齢の犬に発生することが多いです。
急激に悪化することもある病気ですが、定期的な健康診断を行うことで発見することができます。
健康診断を受けたことのない5歳以上のわんちゃんがいましたら、一度受診されてみてはいかがでしょうか(^o^)